二宮尊徳の教え |
貧富は分度を守るか分度を失うかによって生ずる。分度を守って、みだりに分内(予算)の財を散らさなければ富にいたるし、分度を失い、他から借財して分内に入れるようであれば、やがて貧に陥る。
この分度と言うのは、生活の基準(予算)を作ることでして、収入の中から必要経費を払い、さらに将来のための貯蓄をし、残った資金で生活をするというものです。
言われてみれば当たり前のことなんですが、これが守れないひとが多いこと。
分割払いなんてのは、他から借財して分内に入れるようなもの
であります。
またこんな言葉もあります。
貧となり富となるのは偶然ではない。富もよってきたる原因があり、貧もそうである。人はみな、財貸は富者のところに集まると思っているが、そうではない。節倹なところと、勉励するところに集まるのだ。
江戸時代に、尊徳さんはわかっていたのです。
金持ちはなるべくして金持ちになり、貧乏人は貧乏になるべくしてなる。ようするに金持ちはお金の勉強をし、節約する。貧乏人は節約せず浪費にはしる。
学生時代、私と同じアパートにM君という同級生がいました。M君は仕送りが少ないほうでしたが、それにもまして金がない。いつも月末になると「金がねえんだ」と茨城弁で愚痴っていました。
彼は家賃を滞納していて、大家さんに叱られていました。なんでそんなに金がないのか彼に聞いてみると、彼はテニスサークルに所属していて、試合の遠征費がきついとのこと。
また貧乏なくせに、コンビニで氷を買っています。冷蔵庫で氷なんて簡単にできるのに何で買うのか聞いてみたら、これでウイスキーのロックを飲むと旨いんだそうです。
ようするに分度がわきまえられないんです。お金の優先順位が滅茶苦茶。本来なら家賃が最優先のはず。テニスがやりたいのなら、まず家賃をきちんと払い、氷なんて買わないで節約にはしり、それでも遠征費がキツイなら、テニスは諦めるべきでしょう。所詮趣味のサークルなんだし。
また分割払いでデスクトップパソコンを買ったのにはびっくりしました。あれだけ金がないと愚痴っていて、私からの借金もなかなか返してくれないのに、当時はかなり高価なものでしたが、衝動買いです。
M君は名のしれた企業に就職しましたが、そのごもずっと金に困っていると予想しますね。こういうのはなかなか治りませんから。